割型実習 テラコッタ その3
2016年 05月 14日
とうとう3回目になりましたテラコッタ実習レポート。
同じ授業をこんなにも追いかけてきた記事は未だかつてないという状況の中、せっかくなので今回も密着します。
授業の関係もあり、数日間かけゆっくり乾燥した粘土は型から1mmほど離れた状態です。
まず鞘型を外し、割型を慎重に外してゆきます。
ん〜・・・
パカっ
パカっ パカっ
無事はずれたところで
つなぎ目を縫い→
ヘラで抑え→
ドベを付けて→
ヘビさんにした粘土で凹みを埋めて→
本来ならここでビニールをかけて蒸らし、後から付けた粘土を本体とよく馴染ませます。
が、見本用なのでここから繫ぎ目をなおします。
繋ぎ目部分は、原型を作った時と同じ道具で、前後の形を見ながらテクスチャーを合わせていきます。
学生達も型外しに取りかかります。
黒い土
赤い土
大物用の超ザラザラ土
乾燥も焼成もする前から、土によって表情が全然ちがいます。
削り易さや叩いた時の張り具合も普段塑造で使用する粘土と違い、戸惑いつつもみんな真剣に取り組みます。
この、素材が原型と違う物質に変換されるというプロセスは、粘土を原型とする彫刻制作と切っては切れない関係にあります。そして、変換される素材は様々なので、原型のイメージをそっくりそのまま移行する事は物理的には不可能です。
作者は、色も固さも重さも変化して自分の前に現れたその作品に対して、新たな素材に置き換わった別のものとして向き合わなければなりません。そのために、表面的な意味での『修正』という言葉を使い繋ぎ目だけ繕うのではなく、最初のイメージをより強く打ち出すために『再制作』してゆくという意識について、何か気付きのある授業になったらいいなぁと思います。
次回、『焼成』
お楽しみに◎
taro